2009年2月27日金曜日

テストの答案を回収する際の公平性アルゴリズム

 テストの答案を回収するときに、後ろの席から前の人へと、次々に回していくことがある。
 その際、僕は、自分の答案を一番上に乗せて前に回すことにしている。
 皆が回す際に自分の答案を上に乗せて回せば、全員が答案を晒される危険性を負う代わりに、個々の晒され時間は極小であり、それぞれのダメージはほぼない。しかし皆が答案を下にして回すと、ほとんどの人は自分の答案を晒さなくて済むものの、最後尾の人の答案は、ずっと晒され続けることになる。
 一人にすべてを負わせて自分が良ければいいや的な、そのような所業は人として断じてしてはならぬ。極めて高潔な決意でもって、僕は答案を上に乗せるのだ。しかしそのまま僕の答案が一番上に乗ってどんぶらこしていくことが多く僕は怒りを覚える。
 貴様ら。貴様らには人としての誇りがないのか。

 これは信用ゲームである。前の人の答案がすぐに自分の答案の上に乗るはず――そう信じるからこそ一時的に自分の答案を一番上に乗せることができるのだ。
 前の人を信じられなければ、下に隠す。自分の答案が一番上に乗っていく危険は避けたい。しかし自分がそうやって隠して回してしまうと、前の人間が答案の束をちらと見て、最後尾からまったく入れ替わらずに回ってきたことを確認し、ああやっぱり皆そうなんだよな自分が良ければ他人がどうなろうがどうでもいいんだやっぱり自分も馬鹿正直に上に乗せるわけにはいかない……とまた隠してしまう。そうやって不信が伝播していく。
 ただ互いに信じあえば皆が幸せになることができるのに。そんな簡単なことができないせいで、人類は永劫の昔から不幸な犠牲者を出し続けてきた。
 テストの答案回収というのは、まことに人間の本質が問われる状況なのである。

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