2013年4月14日日曜日

「グローバル」と言った方には死を以って償っていただきます。

 日本全国から大企業の社長たちがとある会場に集められた。
 シローくんも意気揚々と会場に向かう。

「グローバル?」「グローバルグローバル!」「サービス!!」「イノベィショーーン!!」

 いつもどおり楽しく歓談していた社長たち。
 だが主催者が現れ、あるルールを告げたことで、会場の雰囲気は一変した。

「これから皆様には、横文字抜きで会話をして頂きます。破った方には死をもって償って頂きます――」


「きみ、それはどういうことかね?」
 騒然とする社長たちのなかで、一人の社長がまず声をあげた。
「かなりドラスティックなディシジョンになるので、コンセンサスをとるためにはそのストラテジーにどんなビジネススキームがあるのか説明するようプッシュする必要があるね」

 轟く銃声。
 発言した社長は四方から銃弾を受けて血だるまになって倒れ伏した。
 ざわつき慌てる社長たち。

「待て! このイシューについてはペンディングの!」
「コンカレントなオーソライズがインタラクティブ!」
「ユビキタスなソリューションがコンフリクトすぎて!」
「イノベィショーーン!!」

 次々に脳味噌吹っ飛んで息絶えていく社長たち。

「重ねて申し上げます。皆様には、横文字抜きで会話をして頂きます。破った方には死をもって償って頂きます……」


 何を喋ればいいかわからなくなった社長たちは沈黙。
 そのまま誰も何も喋らないまま三十分が過ぎた。

 だが社長たちは徐々に、我慢できなくなっていく……。


(言いたい……!)

 シローくんは、四方から銃を突きつけながら、それでもその衝動を抑えることができなくなっていた。

(グローバルって言いたい……!!)


 そうしてついに、トイレで便器に向かって叫んでいた社長が連れられていくのを尻目に、シローくんは決意するのだ。


 自分がどうなってもいい。
 会社がどうなってもいい。

 ただグローバルって言うために、そのためだけに、オレは仕事をしてきたんじゃなかったのか――!


 そんなシローくんの前に、ゼンジが現れこう告げる。

「社長。その心意気、惚れました。あとは私に任せ、社長は初志貫徹を――!」

 ゼンジはシローくんににこりと微笑みかけると、マイクを渡して促すのだった。(続かない)

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